世界のSDGs達成度ランキングからみる日本の現状

SDGs(持続可能な開発目標)の目標達成期限である2030年まであと10年。


今般の新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大は、SDGsの取り組みに影響を及ぼしつつある。外出自粛が大気汚染や水質の改善につながり、SDGsの「目標13:気候変動に具体的な対策を」などの達成に貢献することとなったほか、働き方の変化によるワークライフバランスの改善がみられ、SDGsの「目標8:働きがいも経済成長も」の達成への貢献となっている。一方で、新型コロナを背景に世界中で職を失う人が急増し、これが逆にSDGsの目標8の達成に支障をきたしている。さらに、国連児童基金(UNICEF)などの新しい分析結果[1]によると、新型コロナが経済に及ぼした影響により、2020年末までに貧困下の子どもが15%増加し、最大8,600万人の子どもが新たなに貧困状態に陥ることが予想されている。ほかにも、学校の休校が続いたなか、オンライン授業ができない国も多く、世界中で教育の機会が失われている。こういったSDGsの目標である貧困や教育に関する取り組みが大きく後退している。


さて、日本のSDGs達成状況はどうなっているのだろうか。


2020年SDGs達成度ランキング[2]での日本の順位は166カ国中17位と、2019年の15位から低下した。G7のなかではフランス、ドイツ、イギリスに次ぐ4位、アジアでは1位を維持しているものの、世界での順位は徐々に低下する傾向にある。


同発表によると、SDGsで掲げられている17目標のうち、日本の『最も重要な課題』は「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」「目標13:気候変動に具体的な対策を」「目標14:海の豊かさを守ろう」「目標15:陸の豊かさも守ろう」「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」である。なかでも、女性国会議員や男女の賃金格差、CO2の排出量、海の健全性、絶滅危惧種の保護と絶滅防止、国際譲許的融資(International Concessional Public Finance)に関する指標が最も重要な課題とされている。


他方、帝国データバンクが2020年6月に実施した「SDGsに関する企業の意識調査」によると、企業が現在力を入れて取り組んでいるSDGsの目標に関して、「目標15:陸の豊かさも守ろう」が4.9%、「目標14:海の豊かさを守ろう」が5.0%と1桁台にとどまっており、下位3項目に入っていた。特に目標15は今後最も取り組みたい項目としての割合が最も低かった。これらを踏まえると、最も重要な課題とされているにもかかわらず国内企業の取り組む割合が低い陸域や海洋に関する目標は今の日本にとって達成することが最も難しい目標であると考えられる。


米非営利団体(NPO)によれば、今のままだとSDGs達成は2030年ではなく、2092年になる見通しであり、これを受け各国政府は危機感をつのらせているといえる。しかし、国家レベルの取り組みのみならず、企業の取り組みや個人レベルの意識変革もSDGs達成への原動力となる。企業は経営リスクを回避して「持続可能性」を追求し、個人は自分たちの子孫により良い世界を残すため、SDGsの進展に期待が高まっているこの機会に少しでも歩みを進めるべきであろう。


[1]国連児童基金(UNICEF)ニュースリリース「新型コロナウイルス貧困層の子ども8,600万人増加のおそれ」(2020年5月28日)

[2]The Sustainable Development Solutions Network (SDSN), Sustainable Development Report 2020(2020年6月発表)

この記事は帝国データバンク様の記事を転載したものです。
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帝国データバンク

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株式会社帝国データバンク(ていこくデータバンク、英: Teikoku Databank, Ltd.、略称: TDB)は、企業を専門対象とする日本国内最大手の信用調査会社である。1900年3月3日に後藤武夫が帝国興信社として創業、その後法人化し商号を帝国興信所とした。1981年に社名を現在の帝国データバンクに変更。それと同時に従来請け負ってきた結婚調査・雇用調査等の個人調査を廃し、業務を企業信用調査に特化した。本社は東京都港区。