在宅勤務に潜む「落とし穴」

新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の影響で在宅勤務を取り入れる企業が一段と増加した。帝国データバンクが2020年9月に実施した調査[1]によれば、企業の33.9%が新型コロナの感染拡大を機に在宅勤務を導入しており、新型コロナの感染拡大前から導入済の企業(5.3%)を含めると、現在在宅勤務を導入している企業は39.2%と、4割近く占めている。


在宅勤務は、新型コロナなど感染症の感染拡大を防止するのみならず、労働者の通勤による疲労の軽減などさまざまな利点があげられる。しかし意外なことに、在宅勤務などテレワークにより、労働者は心身の極度の疲労によりエネルギーが奪い取られ仕事などへの意欲を失う、いわゆる「燃え尽き症候群(バーンアウト)」に陥るリスクが高まる恐れがある。


オムロンヘルスケアが1,000人の労働者を対象に実施した調査[2]によると、新型コロナ発生後のテレワークで31%の人が肩こりや精神的なストレスなどを感じている。


また、米マイクロソフトが米国や日本など8カ国で勤務している約6,000人の労働者を対象に実施した調査[3]によれば、リモートワーカーを含めて労働者の30%超は新型コロナの感染拡大前よりも仕事における「燃え尽き」を感じるようになったという結果が明らかになった。国別では、日本においては約2割、米国においては約3割の人がそう感じているのである。


同調査を詳細にみると、リモートワーカーにとっての最大のストレス要因は「仕事と私生活を切り離すことが困難」であった。その結果として労働者は昼休憩や夜遅くまで仕事をするなど、長時間労働につながり、疲労が蓄積していたと考えられる。実際に、NBER(全米経済研究所)[4]が北米、ヨーロッパ、中東の16の大都市圏で勤務している約300万人の労働者のロックダウン時におけるリモート会議や電子メールのデータを分析したところ、対象者の一日の平均労働時間は新型コロナの感染拡大前の時期より48.5分増加したことが分かった。さらに一人当たりが参加する会議の数は、感染拡大前より12.9%増加したことも明らかになった。


在宅勤務で燃え尽き症候群にかからないために、我々はどうすれば良いのだろうか?よく言われているのは、仕事のスペースを生活しているところから区切ることや一日の始業と終業を明確にすることである。また、休憩時間も含め勤務時間外は仕事関係のメールや電話のやり取りをしないことも重要だと考えられる。ほかにも、我々が知らないうちに「仕事とプライベートを切り替える時間」となっている”通勤”の代わりに、ちょっとした散歩に出かけて気持ちを入れ替えることもなかなか良い策かもしれない。


[1] 帝国データバンク 『新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020年9月)』

[2] オムロンヘルスケア 『【テレワークとなった働き世代1,000人へ緊急アンケート】 新型コロナウイルスによる、働き方・暮らしの変化により 「肩こり」「精神的ストレス」などの身体的不調を実感』2020年4月

[3]Microsoft Work Trend Index report September 2020

[4] NBER 『Collaborating During Coronavirus :The Impact of COVID-19 on the Nature of Work』July 2020

この記事は帝国データバンク様の記事を転載したものです。
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この記事を書いた人

帝国データバンク

[会社概要]
株式会社帝国データバンク(ていこくデータバンク、英: Teikoku Databank, Ltd.、略称: TDB)は、企業を専門対象とする日本国内最大手の信用調査会社である。1900年3月3日に後藤武夫が帝国興信社として創業、その後法人化し商号を帝国興信所とした。1981年に社名を現在の帝国データバンクに変更。それと同時に従来請け負ってきた結婚調査・雇用調査等の個人調査を廃し、業務を企業信用調査に特化した。本社は東京都港区。